ドダン・ブーファンのポトフ
  ナツメグ(nutmeg)/肉荳蒄(にくずく)/ジアパール(jiaphal)/ジャティカイ(jathikai)



 ニクズク科の植物。中国名「肉荳蒄(ロウドウコウ)」、日本名「にくずく」。原産地、インドネシアのモルッカ諸島内バンダ諸島。
 インドで紀元前10世紀から使われているスパイスで、現在でもインド料理のカレーには欠かせない。中国では、7世紀頃から漢方薬として使われた。
 ヨーロッパへは12世紀に伝わり、胡椒やクローブと並んで、高価なスパイスだった。約500グラムで、牛数頭分の価格だったと言われている。
 中世ヨーロッパの大航海時代は、それら高価なスパイスの探求で一儲けをしようと言う企みで、胡椒ばかりでなく、クローブナツメグの入手も、その目的の1つ。
 アメリカ大陸回りで、インドとの航路が確立されると、ポルトガルがモルッカ諸島にたどり着き、ナツメグの貿易で富を得た。ポルトガルの国際的地位低下の後、オランダがモルッカ諸島を奪取し、オランダの東インド会社が17世紀、18世紀とナツメグの貿易を独占した。
 オランダは、ナツメグの栽培地から、ナツメグが流出しないよう気を付けていたが、1770年にフランスがナツメグの苗を盗み、インド洋のモーリシャスで栽培を始めた。その後、他の熱帯地方でも栽培されるようになり、今に至る。
 日本に伝わったのは、15世紀くらい。1454年(享徳3年)、飯尾永祥の「撮壌集」に、漢方薬として記されている。1848年(嘉永元年)には、長崎に苗木として渡来。その時には、肉をししと呼んでいた事から、にくずくをししずくと呼んでいた。
 ナツメグの木は、雌雄異種、つまり雌の木と雄の木があり、雄の木1本の風下に雌の木20本を植える。15〜20年ぐらいで生長し、高さは10メートル以上にもなり、その後40年ぐらいは実をつける。
 ちなみにフランスが苗を盗んだ際、雌雄異種と言うのを知らず、盗んだナツメグの木に実がならないのを訝しんだと言う。
 その実の種子乾燥させ、皮がメースになり、核がナツメグとなる。
 核を挽いて粉にすると、独特の強く甘い香りがするスパイスとなる。
 ナツメグと言えば、ハンバーグでしょう。ナツメグの入らないハンバーグなんて、食べる価値がないと思ってしまうくらい。
 その他、クッキーやケーキのデザートなどにも使われる。また、シナモンと合わせて使われる事もある。

 インド料理の香り付けにも使われ、北インド料理では、ジアパール(jiaphal)、南インドタミル・ナードゥ州では、ジャティカイ(jathikai)と呼ぶ。



Last Update 2004.04.08 Created by Majin