ドダン・ブーファンのポトフ
  ミルポワ(mirepoix)



 ニンジンセロリ玉ネギエシャロットポワロネギ等の香味野菜の総称。
 食材への臭み消しや、味に深みを持たせるために使われる。
 通常野菜は粗みじん(例えばコンカッセ)に切られ、そのまま食材とマリネしたり、バターオリーブオイルラルドンと共にソテしたり、オーブンで加熱して使われる。

 ミルポワの起源は不明で、古いだろうと考えられるが、確立したのは18世紀と考えられている。
 ミルポワ公爵ガストン・ピエール・ド・レビの料理人(名前不詳)が、ミルポワを使った料理を作り、フランス国王ルイ15世と妻、マリー・レクザンスカが気に入っていた。
 この料理の記録はなく、文献にミルポワが出て来るのは19世紀のため、フランス王家が気に入ったミルポワを使った料理が何であるか分からない。

 パリ初の本格的レストランのオーナーシェフ、アントワーヌ・ボーヴィリエ(Antoine Beauvilliers)が1814年に、ニンジン玉ネギブーケガルニバター、ワインを使ったミルポワ風味のソースを作っている。
 1830年代に、タレーラン(シャルル=モーリス・ド・タレーラン=ペリゴール)のお抱え料理人・・・当時ヨーロッパで最も高名な料理人のマリー=アントナン・カレームが、ミルポワと言う名称で料理に使っていた。
 1800年半ばには、マリー=アントナン・カレームの弟子だった天才料理人、ジュール・グッフェ(Jules Gouffé)も、ミルポワを古典的ソースの風味づけに使っていた。
 1895年出版のジョゼフ・ファーヴル(Joseph Favre)の実用料理百科大事典(Dictionnaire universel de cuisine et d'hygiène alimentaire)に、ハムとニンジン玉ネギ、ハーブを使った現在のものに近いミルポワが記載されている。

 イタリア料理ソフリット(Soffritto)スペイン料理のソフリート(sofrito)、ポルトガル料理のレフォガード(refogado)、ドイツ料理のズッペングリュン(Suppengrün)、ポーランド料理のヴウォシチズナ(Włoszczyzna)は、ミルポワと同様のもの。



Last Update 2015.03.03 Created by Majin