ドダン・ブーファンのポトフ
豚肉の種類



 豚肉の種類と、代表的なブランド豚についての説明を以下に記す。

  ヨークシャー種(Yorkshire)


 
イギリスヨークシャー地方原産の白色種。
 バークシャー種と同じくらいの大きさの中型種、中ヨークシャー種と350キロ〜380キロの大型の大ヨークシャー種がある。
 昔の高座豚(こうざとん)は、この中ヨークシャー種。現在中ヨークシャー種は、日本ではあまり養豚されていない。
 肉質は柔らかい。

  バークシャー種(Berkshire)


 
イギリスのバークシャーとウィルトシャー地方原産の黒色種の古代種。これが鹿児島県に入り、現在黒豚として日本では知られている。
 200キロ〜250キロの小型の豚で、脂肪は甘く、赤身は肉のきめが細かく締まりがある。
 鼻、四肢の先、尾の毛が白く、鹿児島では六白と呼ばれる。
 ちなみに、元々黒豚とは、沖縄の島豚の事。
 スペインの最高級豚、イベリコ豚(Cerdo Ibérico)や、イタリアの希少豚、チンタ・セネ−ゼ(Cinta Senese)も、このバークシャー種である。

  ランドレース種(Landrace)


 
デンマークの在来種に大ヨークシャー種を交配した白色種。
 250キロから350キロの大きさになる。生育が早く、6ヶ月弱で成長する。
 脂肪分が少なく、赤身の多い肉となる。主に加工肉として使われる。

  デュロック種(Duroc)


 
アメリカ東部地方ニューヨーク州ニュージャージー州原産の豚。赤色の毛で覆われており、耳が折れているのが特徴。
 300キロ〜380キロの大型の豚で、肉に多く脂肪が混じる、いわゆる霜降りの肉になる。

  ハンプシャー種(Hampshire)


 
アメリカマサチューセッツ州ケンタッキー州原産の豚。気は黒色だが、前足から肩にかけて、白色の毛が生えている。
 バークシャー種と同じくらいの大きさで、赤身が多く、かつては日本でもよく養豚されていたが、現在はより肉質の良いデュロック種にその座を奪われている。

  梅山豚(メイ・シャン・トン)


 
中国でポピュラーな、太湖豚(タイ・フウ・トン)の原種。1972年の日中国交正常化の際に、中国から10頭が寄贈され、農林水産省が保有している。
 1989年に塚原牧場が雄2頭、雌10頭を輸入し、翌年中国から輸出禁止となったため、現在流通し、飲食店で食べられるのは、塚原牧場梅山豚
 塚原牧場梅山豚は、梅山豚の原種に、デュロック種を掛け合わせたもの。

 梅山豚 から思いっきり引用


 近年ブランド豚肉が多く出回っているが、ブランド豚肉について以下に記す。

  東京X(とうきょうエックス)


 
青梅市にある東京都畜産試験場で研究され、中国で独自交雑された北京黒豚、デュロック種バークシャー種を掛け合わせた豚。
 とうもろこし大豆を飼料として育て、甘い脂身と、身の締まった味の濃い赤身が特徴。

  三元豚(さんげんとん)


 三元豚は、3種の豚を配合させた
豚肉
 ポピュラーに使われる豚の種類は、ランドレース種大ヨークシャー種バークシャー種デュロック種等がある。
 赤身肉の肉質は、ランドレース種大ヨークシャー種等に似た、繊細でクセのない味わいが特徴。

 平牧三元豚は、平田牧場が生産する、ランドレース種大ヨークシャー種バークシャー種を掛け合わせた豚。
 非遺伝子組み換えのとうもろこしと大豆粕を飼料として育て、バークシャー種の特徴である甘い脂身と、繊細で柔らかい赤身が特徴。
 市場の需要が増して、近年生産数が増大したからなのか、当初と比べ豚肉の質の低下が気になるところ。

 平牧三元豚の成功を受けて、様々な養豚業者が、同様に三元交配をして、三元豚を名乗っている。
 例えば庄内ヨーク三元豚庄内三元豚)や折爪三元豚等がある。
 庄内ヨーク三元豚は、ランドレース種大ヨークシャー種を交配させた後、中ヨークシャー種を交配させている。
 折爪三元豚は、こちらを見て頂こう。

  平牧金華豚(ひらぼくきんかとん)


 
平田牧場が生産する豚。生育の難しい小型な金華豚、中国の桃園豚、北京黒豚の豚肉の美味さで、かつ採算ベースに乗る生産が可能な豚肉を目指して作られた豚肉。
 中国原種豚6種を交配して作られた。通常の豚肉より約7ヶ月と生育期間が長く、驚く程甘い脂身が特徴。
 当初、平牧桃園豚(ひらぼくとうえんとん)と言う名前で売り出されたが、現在は平牧金華豚(ひらぼくきんかとん)と改名した。

  折爪三元豚/佐助豚(さすけぶた)


 
久慈ファームが生産する、ランドレース種大ヨークシャー種バークシャー種を掛け合わせた豚。
 非遺伝子組み換えの飼料に、200〜300万年前の地層から採取された植物性炭化物を加え、甘くトロける脂身が特徴。

  高座豚(こうざとん)


 大正時代の中頃から神奈川県高座郡で養豚されていた、
中ヨークシャー種の豚。高座郡は、サツマイモの名産地でもあったため、サツマイモや野菜クズをエサに高座豚を育て、赤身肉は甘くて柔らかく、脂身に味があって美味いと評判であった。
 1950年代後半からの高度成長時代には、世の中は大量生産、大量消費の傾向となった。小柄な高座豚は、生育に手間がかかる上、歩留まりが悪いと、養豚業者からも敬遠されるようになり、1970年半ばまでに、ほとんど絶滅状態となる。
 しかし1980年代半ばに、8人の農家が高座豚の復活に情熱を燃やし、本場英国に渡った。当時英国でも品種登録書付きの純粋なヨークシャー種の豚は、200頭ぐらいしかいなかったが、そのうち子豚数十頭を購入した。
 その後、大ヨークシャー種中ヨークシャー種を掛け合わせ、上質の飼料を与え、徹底した飼育管理、繁殖母胎改良を計り、素晴らしい肉質を持つ新生高座豚として、復活させた。
 現在の高座豚は、この新生高座豚。ほとんどの高座豚は、ハム、ソーセージ等の食肉加工品や、極一部の飲食店に卸されるのみで、スーパー等の小売りに姿を見せない。

  白金豚(はっきんとん)


 別名プラチナポークとも言う。
岩手県花巻市高源精麦株式会社が生産する豚。母は大ヨークシャー種ランドレース種の混血、父はバークシャー種掛け合わせによって作られた。
 甘い脂身、味の濃い赤身が特徴。詳細は、こちらを見て頂こう。

  スーパーゴールデンポーク


 埼玉種畜牧場が生産する豚。
バークシャー種の品種改良によって作られた。
 驚く程甘い脂身、味の濃い赤身が特徴。

  金華豚(きんかとん)/金華猪


 中国浙江省金華地区を原産とする豚。100キロ〜120キロとかなり小型な豚。
 肉質が良く、金華ハムの原料として知られている。

  寿豚(ことぶきとん)


 三元交配による新しい沖縄のブランド豚。良質な配合飼料により220日以上かけて育てられる。
 皮付きで出荷されるのが通常で、豚肉の品質に対する自信の現れなのだろう。
 三元交配と言っても、どの品種をどんな割合で配合したのかは、調べたけどよく分からなかった。

  島豚(シマウヮー)/アーグ


 15世紀くらいから、沖縄で生育させていた豚。恐らく中国から入った、雑種の豚であろうと思われる。
 元々黒豚とは、島津藩が鹿児島に島豚を持ち込んだのを言い、現在黒豚と呼ばれている
バークシャー種の事ではなかった。
 明治35年にバークシャー種とハンプシャー種入ってきた事によって、交雑が進み、現在は純粋な島豚は少ない。

  やんばる島豚


 
バークシャー種デュロック種を掛け合わせたもの。あるいはさらに、在来アーグをかけ合わせる場合もある。
 いずれも、かつてのアーグになるべく近い、品質の高い豚肉を生産しようと言う動き。
 赤身のきめ細かさと、脂身の甘さを併せ持つと言われる。

  ワイン豚


 
山梨県塩山の山麓の養豚業を営んできた晦日(みそか)氏が、13年前に体調が弱った子豚にワインを飲ませたところ、体力が戻り元気に成長した。これをきっかけに、豚にワインを与える研究を重ね試行錯誤して作り出した豚肉。2003年頃から出荷用の安定した生産が始まった。
 大ヨークシャー種バークシャー種ランドレース種のLWD三元交配豚を後50キロ位になった頃から、飼料と一緒に朝夕2回ワインを与え、約6ケ月間生育させる。ワインはワイン豚用として、勝沼産のマンズワインの白ワインを与える。
 白ワインの殺菌効果で、豚の体質が強くなり、薬を投与しなくとも健康に成育する豚となった。
 さらりとした脂身と、ワインのおかげで臭味のない、香りの良い赤身が特徴。

  ハーブ豚


 日本全国で養豚されている豚。良質の豚(場合によっては血統書付きの豚)に、
オレガノシナモンジンジャーナツメグの4種類のハーブを配合した純植物性飼料与え、およそ180日くらい育て出荷する。
 これらのハーブは豚肉に、旨味を獣肉臭さを減少する働きを持つばかりでなく、豚も健康になる。結果としてビタミンB1ビタミンEの多く含まれ、カロリーの少ない、人が食べても健康になる豚肉となる。
 どのような品種の豚が使われているのか調べたが、分からなかった。肉の写真や、養豚の写真、食べた味から推測するに、大ヨークシャー種、または大ヨークシャー種をベースとした交雑種・・・例えばランドレース種等ではないかと思われる。
 さらりとした脂身と、ハーブのおかげで臭味のない、あっさりした赤身。ある有名シェフが、まるで仔牛みたいと、言ったとか言わないとか。

  四元豚(よんげんとん)


 
ランドレース種大ヨークシャー種デュロック種ハンプシャー種のオスを掛け合わせた豚肉。
 きめの細かい身質とさっぱりとした脂身が特徴。

  岩中豚(いわちゅうぶた)


 岩手中央畜産株式会社が生産する豚。餌に麦類をメインに、杜仲葉、ビタミンE、イソマルトオリゴ糖を混ぜて育てる。
 豚の種類はオープンにされていないが、豚の写真と肉の写真から、
大ヨークシャー種またはランドレース種ではないかと思われる。
 ビタミンEが多く、脂肪に旨味があるのが特徴。

  イベリコ豚(Cerdo Ibérico)


 2003年2月に輸入解禁された
スペインの高級豚。トロけるような甘味がある脂肪分と、旨味の濃い赤みが特徴。
 60%近い脂肪含有量があり、オレイン酸を多く含むため、同じくオレイン酸を多く含むオリーブオイルにちなんで、足のあるオリーブオイルとも呼ばれる。
 良質なイベリコ豚は、ドングリを食べさせて育てる。高級生ハム、ハモン・イベリコの材料となる。
 デュロック種を交配した、品質の悪いイベリコ豚も出まわっているので、注意が必要だ。

Last Update 2013.06.16 Created by Majin