ドダン・ブーファンのポトフ
  フォアグラ(foie gras)



 餌を大量に与え、肥大させたガチョウ、または鴨の肝臓、レバーの事。フォアグラの肝臓は、医学的に言うと、脂肪肝

 フォアグラが作られるようになったのは、かなり古く、紀元前2500年頃のエジプト
 エジプト人の猟師は、野生のガチョウが、ナイル川から旅立つ前に、肝臓にたっぷりと栄養を蓄え、とても美味い事に気が付いた。これはガチョウが、次の地へ移動する際体力を消耗するため、栄養をたくさん蓄えるのだ。
 そして自然のままでは、1年のナイル川から旅立つ短い間しか美味いレバーが味わえないため、ガチョウを飼い、餌を大量に投与して、肝臓を太らせた。これが、フォアグラの始まり。
 やがて、ローマ帝国がヨーロッパで興隆するに伴い、フォアグラ作りをするためのガチョウの飼育は、ローマ人が引き継ぎ、ヨーロッパに広まった。
 その後ヨーロッパでは、13世紀から18世紀まで、フォアグラ食品は、ユダヤ人が一手に作っていた。
 1762年から1788年までアルザス(Alsace)知事として、ストラスブール(Strasbourg)に赴任していたコンタード(Contades)侯爵お抱えコック、ジャン・ピエール・クローズ(Jean Pierre Clause)が、1780年コンタード風パテ(Pate à la Contades)と言う料理を開発し、世界に広まった。
 1960年代のヌーベル・キュイジーヌの頃には、磁器で出来た焼き型に入れてオーブンから出したままのレアで食べる料理、フォアグラ・フレ(foie gras frais)が開発され、フォアグラ料理の定番となった。
 フォアグラ・フレは、アントレの際に振る舞われる。

 現在フォアグラは、ガチョウの肝臓であるフォアグラ・ド・オア(foie gras d'oie)、鴨の肝臓であるフォアグラ・ド・カナール(foie gras de canard)の2種類ある。
 一般的に、フォアグラ・ド・オアの方が、飼育に手間がかかるため、高級かつ高価とされている。
 新鮮な良品のフォアグラは、ガチョウのもので600〜650g、鴨のもので400〜650g、表面はツルツルと光沢を放つ。これ以上大きくなってしまったり、品質の落ちるものは、表面がざらついて光沢はない。
 フォアグラには、生のものの他、軽く調理したものが売られている。

 フォアグラ・ミ・キュイ(foie gras mi-cuit)
 低温殺菌し、瓶詰めした、半生のフォアグラ
 高級品は、脂があまり出ておらず、香りが良く、コクがある。

 フォアグラの缶詰
 完全殺菌した缶詰のフォアグラ。常温で数年寝かせると、コクが出て独特の香りがする。
 常温保存する理由は、低温保存すると脂が固まるため。

 フォアグラは、甘みと相性の良い食材。フランスでは、フォアグラに合うワインは、貴腐ワインのソルテーヌ(sauternes)と言われるゆえんである。

上左/ガチョウにエサを与えるところ 上右/フレッシュ・フォアグラ
中/フォアグラ・ド・オア・フレ・トリュフ(Foie gras d'oie frais truffé 3%)
下/瓶詰めと缶詰のフォアグラ






Last Update 2005.04.28 Created by Majin