ドダン・ブーファンのポトフ 手打蕎麦 与之助(よのすけ)


住 所
東京都台東区元浅草1-4-4 
電話番号
03-3842-6400
営業時間
11:30〜14:00、18:00〜21:30
休 み
日祝
ジャンル
そば


料 理
与之助名物・鴨の治部煮 \1,200 + 蕎麦屋の玉子焼き \700 + 黄金笊(こはねざる) \1,000
系 統
九段一茶庵系
評 価
★★★★★
訪 問 日


 2004年11月オープンの、新御徒町の手打ちそば屋。地元の人には愛されているようだが、そば屋としては有名とは言い難いかな?
 ご主人の吉川寛氏は、九段一茶庵で、4年弱修行の後、独立したそう。
 この店のカツオ節は、削ってしまうと香り、風味が落ちるからと、本節のまま購入し、ご主人が使う分だけ削るのだそう。
 インターネットの評判は、熱烈にこの店を愛する人と、普通の味という評価が2分する。
 訪問したのは13時10分頃。新御徒町駅A3出口から、蔵前方面へ20メートルくらい先、道の左側に店がある。
 のれんをくぐると、短い飛び石があり、引き戸の向こうが店内。
 店内は、コンクリート打ちっ放しで、木製のイスとテーブルを置いた、ちょっと無機質でかっこいい感じ。
 席数は見た感じ、20席くらいか。訪問時点で客は、1組4名のみだったが、その後、5名の客が来た。
 注文したのは、名物と書かれていた、与之助名物・治部煮蕎麦屋の玉子焼き、黄金笊。
 本日の料理のコメントと評価は以下の通り。


 斬九郎 特別純米 \800

 詳しいコメントは、こちらを見て頂こう。


 与之助名物・鴨の治部煮 \1,200  ★★★★

 治部煮と言うと一般的に、鶏肉ニンジンレンコンゴボウ椎茸等を甘辛醤油ダレで煮た料理という印象がある。
 元々は小麦をまぶして、椎茸、青菜を甘辛醤油ダレで煮た料理。
 この料理は一般的治部煮と違い、写真の通り、水菜、九条ネギの上に、そば粉をまとわせ、甘辛く煮た蔵王地が乗っている。
 先日、すが原でも蔵王地を食べたが、写真の通り、胸肉の皮の部分が分厚い。半端なく、太らせているように思える。
 肉は、火を通すと肉が固くなってしまうが、この治部煮はどう言う魔法か、肉が柔らかい。
 一体どうやって、こんなに柔らかく調理しているのだろう?肉は、中心まで火が通るか通らないかの、ぎりぎりの火加減。
 煮汁も、甘辛いが、深味のある味わい。この店の、かえしを使っているのだろうか?
 甘ったるくも、塩辛くもなく、丁度良い味わいで、そば粉がトロ味になって、肉にまとっている。
 しかし、肉の味付けに、甘辛のカツオダシが最適なのか?
 もっと、肉の特製を特性を活かした味付けがあるはず。
 薬味に、おろしワサビが添えられている。肉には、山椒でしょうと、山椒で食べてみると、この味付けならワサビの方が合った。
 添えられている水菜ネギは、むしろネギだけの方が、肉に合うと思う。
 調理法良く、かなり美味かった。4ツ星。


 蕎麦屋の玉子焼き \700  ★★★

 表面が焦げている玉子焼き。表面に焦げが出来ると、見た目には美しくないが、反面玉子には、焦げた香ばしさが出る。
 表面どころか、中を見ても、焦げた状態で巻いているようだが、不思議な事に、生地はしっとりしている。
 全体的に、薄味だが、味付けはやや甘目。かといって、甘ったるさはない。
 味が良いので、大根おろしで食べたが、ちょっともったいないくらいの味わいだ。
 美味かった。3ツ星。
 最後に、表面を焼いて、香ばしさを出したんだとしても、途中段階で焦がす事はない。
 そうすれば、もう1つ、もしかすると2つ星がアップするかも知れない。


 黄金笊(こがねざる) \1,000  ★★★★★

 黄金笊(こがねざる)の全景。そばつゆは、透明度があり、どんぶりの底が見える。
 豚肉水菜ネギが入っているのは良いとして、香りの強い三つ葉が入り、そばとしてはあり得ない、胡椒で味付けされている。
 こんなそばつゆ、アリなのか?


 並そばの特徴

 店で食べた時点では、一茶庵系とは知らなかったのだが、後で思うと、なるほどねって味わい。
 しかし、今まで食べた一茶庵系としては、最も良い仕事っぷり。
 自分のそばの評価は、どれだけそばの香りがするか?で、このそばは、二八並そばの割に、よく香る。
 茹で具合も良く、キリリと締まって、のど越しも良い。
 そばの質も良いのだろうし、そば打ちも、そば切りも、良い仕事をしている。

 ところで、この笊(ざる)新潟県長岡市三島町作り名人、五十嵐文吾氏の手作りなのだそうである。
 店を出す時に、五十嵐文吾氏のに惚れ込み、吉川氏が三島町まで作りをお願いしに来た時、そんなにいっぺんにたくさん作れないと、断られた。
 ところが吉川氏が翌年お願いしに来た時には、何も言わなかったのに、吉川氏の分、10個のが出来上がっていた。
 それから五十嵐文吾氏は、吉川氏のために、毎年10個ずつ作っているのだそうである。


 つゆの特徴

 豚肉三つ葉水菜入りつゆ。写真を見ても分かる通り、そばのつゆとしては、こんな澄んだつゆを見た事がない。
 後でメニューを見て気がついたのだが、この店では要予約で、長谷川自然豚を使った黄金鍋コースと言うのをやっている。
 このつゆは、黄金鍋コースと同じレシピなのではないか?想像するに、黄金鍋コースの〆は、そばを食べる。
 関東のそばは、濃い口醤油を使うが、このつゆは白醤油を使っている。
 薄味だが、そばを5分漬けしても、そば自体が美味く、つゆも美味く、問題なく食べられる。
 濃い口つゆの場合、そばを全部漬けると、そばの香りが失われるが、このつゆは、全部漬けてもそばの香りは消えなかった。
 とは言え、そばの香りは繊細なもの。5分漬け程度で食べるのをおすすめする。
 柚子、三つ葉の香り、胡椒が利いていて、いずれもそばの香りを損ないそうなもんだが、不思議とそんな事はなかった。
 どのそば屋に行っても食べられない、この店オリジナル、かつかなり美味いつゆだ。

 正直、そば自体は、もう少し工夫の余地があるように思えるが、何せこのつゆが凄い。
 って事で、おまけながら、5ツ星とする。
 これぞ、与之助スペシャリテだな。


 お好みで薬味として入れるネギと、胡椒。出て来た時点で味が完成されていて、入れる必要はない。


 そば湯の特徴

 そば粉がタップリ入った、比較的ドロドロしたそば湯。
 そばの実が良いのだろう。そば湯の、そばの香りも良い。



 黄金笊は、黄金鍋の宣伝、プレゼンテーションのメニューなのだろうか?
 客に気前よく金を出させるには、プレゼンテーションも必要だ。
 このプレゼンテーションは成功していると思う。何故なら次の冬には、黄金鍋を食べに行きそうな気がするから(笑)。


Last Update 2009.04.14 Created by Majin