ドダン・ブーファンのポトフ BIRD LAND(バードランド)


住 所
東京都中央区銀座4-2-15 塚本素山ビルB1F 
電話番号
03-5250-1081
営業時間
17:00〜21:00
休 み
日祝
ジャンル
焼鳥


料 理
コース \6,000 + 肝刺し + 鳥刺し + ぼんじり
評 価
★★★★
訪 問 日


 奥久慈軍鶏を使った焼鳥の名店。当初阿佐谷に店があったのだが、移転して現在は銀座にある。かつて
 この店、ジョエル・ロビュションが美味いと絶賛した店。しかし、一般の評価は賛否両論。この店より、この店で修行した人が開いた、バードコートの方が、評判が高いくらいだ。
 評判の悪い理由は、接客が悪い、タカピー、オーナーシェフの和田利弘氏が焼いていなかった、奥久慈軍鶏が期待程美味くなかった・・・等々。
 訪問したのは19時25分。場所は、不二家のビルの地下1階。地下鉄銀座線から行くか、あるいは不二家ビルの外堀通りの地下鉄入り口を下った方が分かりやすいかも。ちなみに、通路をはさんだ斜め向かいに、有名な寿司屋、「次郎」がある。
 この店は、空いている日ならばぶらっと行って入れるかも知れないが、予約して行くのが無難。予約している事を告げ、10分程度待って入店。
 店は、床、テーブル、カウンターも木製で、シックな落ち着いた感じ。テーブルなんか、かなりの厚手の木を使っており、高そう。4月に改装していて、営業を休んでいたのだが、店はこぎれいな感じで、一般的焼鳥屋のイメージからほど遠い。何かオシャレなワインバーのよう。
 席数は、40席あるかないかと言う所で、本日予約で満席の札が出ていた。ただ、インターネットでは並んで入ったと言う人もいるので、必ずしもぶらっと行って入れない訳ではないらしい。
 インターネット情報では、オーナーシェフの和田利弘氏が焼いていない事があるらしいが、今日はしっかり和田が焼いていた。
 この店、予約時に6000円のコースか、8000円のコースか選択する。その他、特別なメニューをアラカルトで注文する事が出来る。今日は6000円のコースを選択し、アラカルトで肝刺し、鳥刺し、ぼんじりを注文した。
 本日のコメントは、以下の通り。


 前菜盛り合わせ ★★★★

 前菜盛り合わせは、左上から鳥肉のハム(みたいなもの)。右上の透明な器に入っているのは、ゼンマイ。左下は、鳥皮の和え物。中央に無農薬の空豆。右下に、無農薬のアスパラとゴボウ。
 食べてみると、いずれも素晴らしい1品。
 鳥肉のハムは、奥久慈軍鶏の旨味を凝縮させた感じ。味が濃い。やや口当たりの肉質が固いのは、奥久慈軍鶏特有の肉質故だろうか?
 ゼンマイも良い塩梅に漬け込まれていて、美味い。
 鳥皮は、赤い色はどうやって付けているんだろうね?酸味が利いていて、美味い。
 空豆と、アスパラ、ゴボウは、無農薬野菜らしく、スッキリした味わい。前菜の中では、一番好きかも。1つ不満があるのだが、他の人よりアスパラが1本少なかった!?(笑)
 前菜から全力投球という感じ。美味い。4ツ星。


 鳥肉の刺身 ★★★★

 奥久慈軍鶏のもも肉と胸肉。色が薄いのが胸肉で、濃い方がもも肉。
 食べてみると、色同様、あっさりしているのが胸肉、旨味が濃いのがもも肉。どっちが好きかは、好みの分かれる所だろう。
 味、風味、歯ごたえとも申し分なく、これは美味い。4ツ星。


 肝刺し ★★★

 新鮮な鳥の肝を醤油ダレに漬けた1品。
 色を見ても分かる通り、かなり新鮮な肝。食べると、旨味、歯ごたえとも良い。
 しかしだ、肝刺しならば小雷鳥の方が美味いな。これは、鳥肉が違うので、やむを得まい。
 それでもかなりのレベルの肝刺しと言える。3ツ星。


 レバーペースト ★★★★★

 バケットに、角切りのレバーペーストを塗って食べる、バードコートでも絶品だったレバーペースト。
 食べてみると、いやはや・・・ため息が出る程の美味さ。
 臭味などまるでなく、コクと旨味が濃厚。バターのように、パンに塗れる程の滑らかさ・・・素晴らしい!!
 もちろん、レバーペーストだけに、レバーっぽさは残っている。完璧、5ツ星。


 ワサビ焼き  ★★★★

 表面だけ軽く焼いた奥久慈軍鶏に、ワサビを乗せたもの。このワサビ、ちゃんと皮を剥いて下ろしているが、下ろし金を使っているんじゃないかな?
 ワサビは、鮫皮で下ろすのが最高。まるで練った粉ワサビみたいに、きめ細かいワサビが下ろせる。
 肉の部位は、胸肉だろうか?あっさりしていて、かなりの美味さ。4ツ星。


 鳥皮  ★★★★

 この鳥皮、肉毎そき落とした鳥皮。表面には、粉山椒をかけている。
 自分が焼鳥で一番好きなのは、実は鳥皮。
 ニワトリなら、皮だけ取れただろうが、軍鶏なら皮は厚くない。鳥皮だけで串にすると、1羽で何本も取れないだろう。
 それと、皮だけでは脂でクドいので、肉も付けたのだろう。山椒の風味と良く合い、かなりの美味さ。4ツ星。


 なごり雪(豆腐) ★★★★

 小野食品のなごり雪をチーズに見立て、オリーブオイルと塩、黒胡椒をかけた1品。バードコートでも食べたが、オリジナルはこの店。
 スーパーの豆腐なら、とてもこんな食べ方は出来ないが、通常の5倍の濃度の豆乳を使っているなごり雪ならではの食べ方と言えるだろう。
 強い大豆の風味が、オリーブオイルと胡椒と出会い、豆腐の新たな食べ方を発見出来る。
 って言うか、豆腐の品質の勝利とも言えるのだが。4ツ星。


 鳥レバー  ★★★★★

 鳥レバーの塩・・・タレじゃない。
 食べてみると、イスからずり落ちそうな美味さ。
 焼きは半生、味付けは塩のみ・・・これはレバーに自信がなければ出来ない。レバーが甘くてコクがあり、旨味が詰まっている・・・
 これは、美味過ぎ。5ツ星。


 銀杏  ★★★

 銀杏・・・これも無農薬なのだろうか?表面には、塩を振られている。
 食べて見ると、すっきりした味わいで、甘みすら感じる。
 でも今って、銀杏の季節だっけ?確か、11月前後が、旬なはず。それでも、悔しくも美味かったりする。3ツ星。


 つくね ★★★★

 出て来た時の香りから、凄い山椒の風味。
 食べてみると、今流行のナンコツ毎入れたつくねではなく、昔ながらの鶏ミンチのつくね。
 この味付けも素晴らしいし、タレが凄い。舐めてみると、何て事無い味なのに、つくねと合わさると、旨味倍増。
 こんなタレって、アリ?4ツ星。


 砂肝 ★★★★★

 砂肝は、1人1本じゃなかったので、写真の様にバラした。
 コリコリとした程良い歯ごたえがあり、火が通るか通らないかの、ギリギリの絶妙な火加減によって、鮮烈な旨みと、甘みさえ感じる。
 塩加減も最高。文句なし。5ツ星。


 モモ焼き ★★★★★

 モモ焼き・・・軽い燻蒸臭がしたが、これって軽く燻製にしている?
 醤油ダレ・・・って言うか、焼き鳥のタレ?とにかく、甘辛いタレの味付けで、かなりの美味さ。
 あるいは、普通に焼くより、鶏肉の旨みが凝縮されて、良いかも。5ツ星。


 ぼんじり(ぼんぼち) ★★★★★

 アラカルトで注文した、ぼんじり。ぼんぼちとも言う、鶏のテール肉。ぼんじりは、鳥皮と並ぶ自分の好物。
 食べて見ると、脂身あふれ、美味いんだよなぁ。
 変な鶏肉だと、この脂が臭い。この店の奥久慈軍鶏は、臭みなどまるでなく、旨みとコクと、甘みさえある。
 最高です。5ツ星。


 ねぎま ★★★★

 ねぎまは、モモ肉の間に長ネギをはさみ、タレで出て来た。
 奥久慈軍鶏のモモ肉は、味が濃く、旨みにあふれ、長ネギは焼いたことで甘みが出、全体をさっぱりさせる。
 つくねでも言ったが、単体では何てことないタレの味が、焼鳥と出合ってお互いの良さを引き出す。これぞ、マリアージュ
 かなりの美味さのねぎま。4ツ星。


 親子丼 ★★★

 奥久慈軍鶏の有精卵を使った、世間的に評判の親子丼。バードコートでは、めちゃ美味だった。
 出て来たのは、バードコートより量が少ない・・・ように思う。バードコートでは、確かハーフサイズの親子丼。これは、1/3サイズではないだろうか?
 量が少ないと言っているのは、大食いのぼやきではない。むしろ、自分は小食。
 量が少ない事で、バランスが悪くなっていると思うのだ。つまり、ごはんの量、丼つゆの量、玉子、鶏肉。
 それが証拠に、とんでもないツユダクの親子丼だ。恐らく丼物の最低サイズは、ハーフサイズ。これでは、量が少な過ぎ。
 味付けは、申し分ないのだが。3ツ星。


 プリン ★★★★

 奥久慈軍鶏の有精卵を使ったプリンバードコートで食べたのは、大した事なかったので、全然期待していなかった・・・が、この店のは美味い。
 食べた感じとしては、恐らくプリンの黄金律で作っているのではないと思う。食感としては、卵多目。
 バードコートでは、甘み不足・・・って言うか味不足だったが、この店のはしっかり味付けされている。
 だとしても、奥久慈軍鶏の有精卵のコクで、かなりの美味さのプリン。4ツ星。



 この店に来る前までは、インターネットの評判の悪さ・・・特に和田氏が焼いていないとか・・・バードコートの方が評判が高い事から、あんまり期待していなかった。
 よしんば、バードコートと同じくらいの美味さだったらいいなと。
 ところが、とんでもない。バードコートの焼鳥は、5ツ星評価だったが、この店の焼鳥は、ワンランク上行く技術と美味さ。
 塩がめちゃ美味なのだが、支那そばやの限定塩らぁ麺で使っている、高知県土佐佐賀産、完全天日塩「美味海(うまみ)」なのだそうだ。実に、凄い塩だ。美味さに納得。
 コストパフォーマンスではどうか?
 確かにバードコートの焼鳥は、かなりのレベルいっている。良い酒を多く置いているこの店は、酒の料金が高い分、最後の会計が3割ぐらい高くなる。
 そこそこの値段(1万円)以内と言う予算なら、バードコート。金に糸目を付けず美味いものが食べたいなら、この店を選択するべきだろう。
 ちなみに賛否両論ある奥久慈軍鶏だが、否定論者は、脂の乗りが今ひとつ、一般的鶏肉に比べクセ・・・野趣があるが、ジビエの野趣と比べると、クセが物足りない・・・と言うもの。
 自分は、鶏肉にない野趣さを持った、今までにない個性的軍鶏だと思うが。
 確かに、脂の乗りは今ひとつかも知れないが、野を駆けて育てているニワトリは、みな筋肉質で脂不足。むしろ、変に肥満した鶏肉の脂より、健康な筋肉の方が、よっぽど美味いと思うのだ。
 ただし個人的に、今まで食べた内で一番美味い鶏肉は、名古屋コーチン、鹿児島で食べたブランド鶏肉じゃない鶏肉(桜島地鶏だったりして)、次いで奥久慈軍鶏、宮崎県の地頭鶏(じとっこ)と続く。こうしてみると、意外にも肉質の固い鶏肉ばかりだな(笑)。
 鶏肉品評会で優勝したからと言って、手放しで信仰している訳ではないが、自分が奥久慈軍鶏がかなりの美味さだと思っている事が、お分かり頂けると思う。
 素材良し、調理技術良しとなれば、評価が悪かろうはずがない。4ツ星。焼鳥以外のメニューの質が上がれば、文句なく5ツ星行くレベル。
 この店をけなす人って、どう言う訳なのだろうね?
 焼鳥屋なのに、値段高すぎ?店がオシャレ過ぎ?それとも奥久慈軍鶏のクセ?
 自分には、理解出来ない。めちゃくちゃ、素晴らしい店だと思うが。


Last Update 2005.05.22 Created by Majin